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ベルやレストランのクロークがやってほしくないこと
「こういうことをすると心ならずも"嫌な客"と思われることがあります」
※チェックアウト時の“バゲージ・ダウン”もベルの大事な仕事。
※ホテルのエントランスをくぐる前から、荷物はすべてベルにお任せ。
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◆自分で持ってもいいのは貴重品とハンドバッグだけ
本人に悪気は全くないのに、ちょっとした行動で「嫌な客」と思われてしまうことがある。例えば「荷物を自分で客室までお持ちになってしまう方」。単にせっかちなだけなのかもしれないが、ベルの仕事を奪うことになるし、グレードの高いホテルでは「うちの防犯態勢を信用できないのか」となりかねない。加えて、見た目もあまりよろしくない。「こういうホテルで妙にせかせかしている方は悪目立ちします。荷物はすべてベルに預け、館内のしつらいを愉しみながら、お部屋に向かうくらいの余裕を持ちたいですね」(フォーシーズンズホテルジョルジュサンクのH本人ディレクター/パリ)。
もちろん、「貴重品や女性のハンドバッグなど細々としたものならご自分でお持ちになるのがいいでしょう」 (ザ・コノート/ロンドン)。しかし、男性がショルダーバッグなどを持つ場合は「Here are valuables.(貴重品が入っているので)』とひと言、断りを入れるのがいいかと思います」(ル・ブリストル/パリ)。また、中には親切心からベルを手伝おうとする客もいるようだが、「スマートには見えません。すべてこちらにお任せいただくのが一番です」(ザ・コノート)。
最寄りの空港や駅からタクシーで乗りつけ、ドアマン経由でベルに荷物を渡してしまう---旅慣れた印象を与えるのはそんな客だ。ベルはレセプションから客の部屋番号を聞き、自動的に客室まで運んでくれる。ただし、大型ホテルだと繁忙期などでなかなか荷物が届かないこともある。すぐに出かけたいなら、客室に上がる前にベルに「As early as possible.(なるべく早くね)」とリクエストしておくといいだろう。
チェックアウトの際、ベルの手を煩わせまいと部屋からスーツケースを持って出るのも逆効果。ベルに電話して「Baggages down, please.(荷物を下ろして)」と頼み、荷物を渡してしまってから手ぶらで階下に向かいたい。
◆ブランド品の買い物袋をたくさん持ち込むのは困る
荷物を預けるという点では、レストランのクロークも同じ。「スーツケース以外なら、メインダイニングに持って行かれて構いません」 (カフェ・グレイ/NY)という寛容な店もあるが、「女性のハンドバッグ以外はクロークに預けるのが普通です。ショッピングの帰り立ち寄られたのは分かるのですが、ブランドの買い物袋をたくさん持ち込まれるのは回ります」(ル・ベルナルディン/NY)。
ちなみに、レディファーストの海外ではクロークで荷物を受け渡しするのは男性の役目。秋風の冷たい季節になれば、預けた女性のコートを受け取り羽織らせてあげるのはお約束だ。いつもの習慣で自分のコートだけ手に取り、さっさと店を出るようだと、周囲から白い目で見られかねないのでご注意を。
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